ストーキン
僕はなもちゃんのことが好きだ。ステージで踊る彼女を見ると、スペインで見たロデオを思い出す。
なもちゃんの名前の由来はシナモンからきているらしい。ベッドの上にはシナモンがあって、ベッドの下には僕がいる。
すごく埃にまみれている。なもちゃんは床の掃除をする際にベッドの下は掃除しないらしい。計算外だった。喘息を持病としている身にしては不安だ。
サンダルのパタパタとした音が聞こえた。なもちゃんがベランダから戻ってきた。
なもちゃんは目を休めるためにベランダから遠くの景色を見る習慣がある。その時間を利用して部屋に入った。
「おっとっと、おっとっと。ハーゲンダッツを食べよう。」
何のおっとっとだったのだろうか。
彼女はベッドに座りハーゲンダッツを食べ始めた。隙間から彼女の足が見える。くるぶしに蚊に刺されがあった。
「ベッドの下に寝るのってどう」
「…」
「バカだね。」
僕はベッドから出た。綿埃を全身に纏っていた。彼女はハーゲンダッツにシナモンをふりかけた。