うん日のへにより

もやしと豚肉を炒めたやつ

ミッション辛ポッシブル

 23時に思った。辛ラーメンが食べたいと。僕が一人暮らしだったらきっと袋麺を鍋に入れてコトコトやっていることだろう。しかし僕は4人家族で暮らしていて、この時間に袋麺を食べるとヘイトが集まる。やれ常識的じゃない、やれ夕飯食っただろ、やれうるさいなど。なのですぐに作ることはできなかった。

 リビングで母は布団を敷いて寝て、他の家族は各自部屋で寝る。23:30に母が風呂へ入ったことでリビングが空になった。誰にも見つからずに辛ラーメンを作るチャンスがやってきた。

 僕はキッチンへ行き、鍋に水を入れ火にかけ、袋麺を棚から取り出した。

 本来の調理工程では粉と麺は一緒に茹でる。しかしそれだと粉末の溶けたお湯が蒸発して、キッチンはもちろんリビングにまで匂いが広がってしまう。辛ラーメンの匂いの中母を寝かせるのは悪いので、今回粉は麺が茹で上がった後に入れることにした。

 こうしてこっそり辛ラーメンを完成させた僕は自分の部屋に持っていって食べ始めた。

 辛い。辛いし味があんまりしない。うまみはする。味ほしい。辛い。

 そう思った僕はとろけるチーズを取りに冷蔵庫を開けた。しかしとろけるチーズは見つからなかった。チェダーチーズはあった。辛ラーメンにチェダーチーズ?ピザじゃないんだから。でもこういう時に踏み込んでみることで良い発見というのは生まれてきたのかもしれないし、とか広いことを考えて一応やってみることにした。

 ラーメンにチェダーチーズを投下して混ぜる。生で食うととろけるチーズって気持ち悪いからチーズとしての気持ち悪さでいったらチェダーチーズよりとろけるチーズの方が上じゃね、じゃあチェダーチーズは絶対おいしいじゃんとか思えてきた。人というのは引き返せなくなったら今進んでいる道を肯定しだすものらしい。それによって新たな境地が開けた。

 いい感じに溶けたチーズが麺に絡む。食べてみるとおいしかった。やってよかった。

 そうして辛ラーメンの麺を全て食べた僕に残されたのは空腹感だった。

 サトウのごはんを投入した。追いチェダーチーズも。

 そんなこんなで僕は今いい感じに満たされました。辛ラーメン最高。